知事・市長が意見表明

麻生福岡県知事と吉田福岡市長は、3月26日、福岡空港の過密化対策について、地元としての意見を表明しました。この意見は「現空港の滑走路増設に早期に着手すべき」というものと、新空港の建設について「今後とも引き続き、調査研究が必要である」というものでした。

促進協は新空港建設の主張を維持

新福岡空港促進協議会は、知事および市長の意見表明を受けて次のようなコメントを発表しました。

   

「福岡空港の過密化対策」 の 知事・市長の意見公表について


公表された、知事・市長のご意見は、広く住民や政界・経済界の人々との意見交換や福岡の将来展望、目下の経済情勢などを踏まえ、熟考を重ねられた上での結論であり、重く受け止めたいと考えます。
(1) まず、福岡空港の過密化対策については、滑走路増設に速やかに着手することとされました。
(2) また、新空港の調査研究についても、引続き調査研究を行う必要があるとされたということです。
   私どもは、かねてから福岡県及び九州の発展のためには、新空港が必要不可欠であると主張してまいりました。その点からしても今回の増設案はあくまでも暫定的な対策であると受け止めており、新設の可能性の調査研究なども含めて、促進協としての考えや取り組みを変更する必要はないと考えています。

平成 21 年 3 月 26 日  
新福岡空港促進協議会

会長 鎌田迪貞  

 

麻生知事意見書の要旨

【滑走路増設の早期着手】

福岡空港の過密化対策として、滑走路増設に速やかに着手する。
   総合的調査で明らかになった空港の離着陸の処理能力は年間14万5千回。すでに14万回に達して限界に近づいている。羽田空港と成田空港も容量を拡大していく方向にあり、主要路線を増便するチャンスであるが、福岡空港の容量制約のために実施できないとなれば、福岡の発展力や地域の活力を失わせることになりかねない。過密化問題は、誘導路を二重化する当面の拡充策を行っても切迫しており、打開に向けた行動を早く起こす必要がある。このような状況から工事期間をまず重視した。
   県民から寄せられた意見でも、利便性を重視して増設案を支持する声が多く、パブリックインボルブメント(PI)の最終段階では8,000人超から意見提出があり、増設案に積極的な意見は4,293件。新空港案に積極的な意見は3,569件だった。
   現在の経済状況をみれば事業費が少ないという点も選択の大きな要素。滑走路をかさ上げする増設案の事業費は約2,000億円。新空港なら約9,200億円もの事業費が必要となり、工期も相当長くなる。滑走路の増設によって拡大される発着容量は年間38,000回になる。滑走路の増設にあたり、国は次の対策を講じる必要がある。
   (1)事業期間の短縮に努め、早期完成を目指す(2)事業費の縮減に努める(3)市街地の上空を飛行するため、最大限の安全対策を講じる(4)騒音区域は最小限にとどめ、拡大が避けられない場合は騒音対策に万全を期する(5)運用時間の延長は、騒音対策の進展を見ながら検討する(6)国が購入している移転補償跡地については、地元の意見も聞きながら有効活用を図る(7)都心部の高さ制限の緩和策を検討する。

【新空港の調査研究】

国内各地とアジアの主要国を結ぶ福岡空港は、わが国を代表する拠点空港である。滑走路が増設されても、完成から十数年後には再び空港容量を超えることが予測されている。また、現空港の課題を解決するためには、新空港建設の方が優位性を持っている。PIでも新空港の必要性を訴える多くの意見や、調査検討を求める意見が多く出された。新空港は地域の未来のための課題である。
   これらを考え合わせると(1)将来の新空港を考える上で必要となる風向きなどの自然条件の基礎データをさらに詳しく収集、整理していくこと(2)環境への負荷をできる限り小さくする方法(3)経済の変動状況を踏まえた新たな資金調達方法(4)新しい工法技術を採用して事業費をより安くする方法(5)事業の採算性(6)交通網のあり方−などについて、引き続き調査研究を行う必要がある。このため国による新たな調査研究に地域が協力して取り組む必要がある。

【北九州空港の活用強化】

福岡、北九州両空港のそれぞれの特色を活かし、その機能を十二分に発揮させる。北九州空港は羽田発着枠の拡大に当たり、需要の多い時間帯の増便を確保、海外も含めた路線の誘致などを積極的に図る。24時間機能を最大限に活用し、アジア全体を取り込んで貨物拠点空港として成長していくことが重要だ。国際貨物専用便を誘致するに当たっては現在の2,500b滑走路では魅力、説得力に乏しく、3,000bに延伸すべきだ。北九州空港は土地の拡張余地も大きく、航空機の整備、航空機産業の拠点として発展していくことも重要な目標だ。

(3月27日付西日本新聞から)